
2021年の設立以来、着実な成長を遂げているスパークル法律事務所。同事務所は、三内氏(合同会社LEACT)との連携により、タイムチャージ制特有の煩雑な請求事務を「1ヶ月」から「わずか2日」へと短縮することに成功しました。
本インタビューでは、システム導入に至る経緯と、導入後に生じた組織運営上の劇的な変化について、代表弁護士の三谷革司氏に詳しく話を伺いました。
2026年4月現在、私を含め7名の弁護士が所属しています。さらに来春にも入所が確定しており、近いうちに10名程度の規模となる見込みです。
業務分野は会社法、コーポレートガバナンス、紛争解決といった一般的な企業法務に加え、ファイナンス、スポーツ法務やエンターテインメント法務に強みを持つメンバーも在籍しています。
昨今、複雑化するM&A案件への対応力を強化すべく体制の拡充も視野に入れていますが、同時に、我々の強みである機動力とスピード感も重視しています。いたずらに規模を追うのではなく、質の高いサービスを維持できる最適なバランスを模索しています。
弁護士として20年弱のキャリアを積み、次は事務所経営に挑戦したいと考えました。その際、特に注力したかったのがリーガルテックをはじめとするテクノロジーの活用による徹底した効率化です。
また、日本にはまだ法律事務所の数が少なく、業界全体として変わっていかないと硬直化してしまうという危機感もありました。新しい事務所が次々と誕生し、業界が変化し続けることで世の中はより良くなる。微力ながら、そうした活動を通じて業界に活気を与えたいと考えています。
安定して運営している法律事務所ほど、現状のシステムを変えることに対して慎重になるものです。特に法律事務所という性質上、セキュリティには細心の注意を払わねばなりません。業界全体として新技術の受容に時間を要するのは、ある種の特徴と言えるかもしれません。

リーガル・リサーチには既存のリーガルテックサービスを活用しています。また、実務においても生成AIの活用は日常化しており、具体的には判例の要約などに活用しています。所内では、効率的なプロンプトの共有やAIを用いたプレゼンスライドの作成例など、情報交換を目的とした勉強会を定期的に実施し、活用の底上げを図っています。
このほかに、組織運営の業務効率化には合同会社LEACTの「Bill」をベースに当事務所のニーズに合わせてカスタマイズしてもらっています。
安定して運営している法律事務所ほど、現状のシステムを変えることに対して慎重になるものです。特に法律事務所という性質上、セキュリティには細心の注意を払わねばなりません。業界全体として新技術の受容に時間を要するのは、ある種の特徴と言えるかもしれません。
請求書作成およびその周辺業務の効率化は、設立当初からの大きな課題でした。
当事務所はタイムチャージ案件が多く、タイムシートの入力・集計から請求書発行、送付、入金確認に至るまで膨大な工数が発生していました。件数の多さに加え、案件ごとの請求パターンが複雑で、複数の弁護士が関与する案件では請求までにかかる作業がさらに増えます。
結果として、前月分の請求作業が翌月いっぱい断続的に発生し続けるという状況が続いていました。
一時期は他社が開発した法律事務所向け業務管理システムを導入したこともありましたが、企業法務特有のタイムチャージ実務に適したシステム設計ではありませんでした。そんな折、合同会社LEACTは企業法務事務所の運営に対する「解像度」が極めて高く、エンジニアの三内氏が在籍していると聞き、2023年夏にシステム構築について相談しました。
相談していく上で、「まずは小さく改善していきましょう」という話になって、Google AppsScript(GAS)を用いたスプレッドシートベースのアプリ作成から着手しました。それだけでも劇的な効率化が実現されたのを覚えています。
最大の効果は、これまで丸1ヶ月かかっていた請求業務が、基本的には1〜2日で完結できるようになったことです。
また、複数のパートナーが関与する案件の売上分配についても、以前は案件終了後でなければ具体的な数字を把握することができませんでしたが、現在はシステム内にロジックを組み込んでいるため、リアルタイムで把握可能です。「現在の自分の売上」を即時に可視化できるのは画期的なことであり、業界慣習を深く理解している合同会社LEACTだからこそ実現できたことだと感じています。
クライアントごとに異なる請求タイミングや手法など、細かいチューニングにも柔軟に対応できる点は非常に優れています。
また、新規案件登録時にGoogle Drive内にフォルダが自動生成され、担当弁護士のみにアクセス権限が設定される仕組みも重宝しています。こうした「地味ながら時間を取られる作業」がほぼゼロになった意義は大きいです。

UIがシンプルかつ直感的で、操作スピードを落とさない点が大きいですし、以前は各データが散在していましたが、導入後は必要な情報が一箇所に集約・整理されたことも時間短縮の要因です。
事務スタッフと弁護士間の確認作業もシステム上で完結するため、双方のコミュニケーションコストが大幅に削減されました。対応ステータスの自動更新も管理の手間を省いてくれています。当事務所では会計ソフトのfreeeを導入していますが、これとの自動連携により、手動転記によるミスがほぼ根絶されたことも大きなプラスです。
週1回の合同会社LEACTとの弊所事務スタッフを含めた定例ミーティングを通じ、継続的な改善を行っています。
現在の事務所ホームページも合同会社LEACTによる制作で、その改修も依頼することがあります。 直近では、所属弁護士の稼働状況を把握するための週次アンケート機能を既存のシステムに組み込みました。人数が増えるにつれ、各々の繁忙状況や出張、私的な予定を含めた個別事情の把握が難しくなってきました。
これをシステム化し、案件アサインの判断材料として活用したいと考えています。
私自身のマインドシェアがこうしたシステムに関する課題に占有されなくなったことが非常に大きいです。かつては自分で解決策を調べて時間を浪費していましたが、今は合同会社LEACTに相談すれば、課題の本質を理解した上で最適な解決策を提示してくれます。
案件管理やコンフリクトチェックの機能など、色々と統合したい機能はありますが、最終的にはアソシエイトの評価データなども蓄積していきたいと考えています。
データの収集・分析は業務効率化のみならず、評価や報酬分配の適正化にも不可欠です。定性的だけでなく、定量的なデータに基づいたフェアな判断ができる状態を構築し、説得力のある組織運営を目指していきたいと考えています。